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INBOUND 2017参加レポート サブセッション編

おハロー! わたしのことが……好きにな~る、好きにな~る。ダメ?
ダメに決まってるでしょうそんなの……。。。
半田です!

INBOUND 2017参加レポート、今回はサブセッションの内容をご紹介します!
今年のINBOUNDではキーノートの他に260を超えるサブセッションが各ホール・会議室で同時並行的に行われ、内容もマーケティングに関するものからデザイン、働き方、企業家精神などとても多岐に渡りました。

マーケティングだけでなく、普段の働き方や生活についても見直すことができる非常によい機会ですね。
今回ご紹介するトピックは以下の通りです!

目次

The Future of Marketing Automation: Messaging and Bots

まずはマーケティングに関するものから、HubSpotのCMOであるKipp Bodnar氏によるセッションです。
さすが今回のINBOUNDの核心に迫るトピックだけあって、会場は満員でした。

The Future of Marketing Automation: Messaging and Bots

要約すると、下記のことが語られていました。

現在におけるメールが抱えている問題

  • 人が待てる限界というのは、数十年前に比べどんどん短くなっている
  • 対してメールは、無限に時間を吸い込むブラックホールのようなものである
  • 多くの人間が問題解決のためにメッセージングによるやり取りを希望しているが、用意されている手段の多くはいまだにメールである
  • そしてメールでコミュニケーションを試みても、メールでは直接やり取りができない(DO-NOT-REPLAY@xxx.comのようなアドレスで返信が不可能)

メッセージングという新たな手段

  • 一方的なコミュニケーションから、双方向のコミュニケーションへ
  • 71%の人間がメッセージによるやり取りを希望している
  • メッセージングは単なるメールの進化系という訳ではない
  • メッセージングは単なるチャネルではなく、オペレーティングシステムである
  • ブラウザというプラットフォームの上にwebサイトがあるように、メッセージングプラットフォームの上にチャットボットが搭載される

チャットボットについて

  • チャットボットとは、双方向コミュニケーションにおける自動化である
  • 技術的には以下のフェーズに分けることができる
    • 会話をはじめる
    • 会話を自動化する
    • 会話をコーディネートする
  • よいボットの条件とは、
    • 実際に使われる場面を想定していること
    • 人間がすぐ対応できない場合はその旨を伝えること
    • 人間への引き継ぎが容易であること

とても分かりやすく、腑に落ちるセッション内容でした。
技術が発達すればするほど「人が待てる時間」というのは短くなっていますし、メールのちぐはぐしたコミュニケーションにはうんざりですし、そもそもメールなんてほとんど開かないですからね……。。。

チャットボットというとまだ漠然としたイメージしか持ちづらいですが、技術的にも役割的にも、ブレークダウンされた情報を得られたのは非常によい機会でした。

ちなみにHubSpotにおけるチャットボットは、簡単に扱えるようHubSpot内のいちサービスとして提供される予定です(そのためのMotion AI買収です。詳しくはこちら)。
「開発は我々が行うので、みなさんはそれをどう運用するかという本質に注力して欲しい」とのことでした。

Multi-Generation Workforce Disruption: Innovative Ideas for Leading Boomers, Gen X & The Millennials

次に働き方と世代多様性の話です。
まず初めに「行動の伴わない情報は、ただの娯楽である」という言葉が紹介されました。非常にいい言葉ですね!

「行動の伴わない情報は、ただの娯楽である」

以下、要点をまとめていきます。

フリーランスについて

  • アメリカでは5300万人の労働人口(全体の34%)がフリーランスとして働いている
  • 2020年までには、40%がフリーランスとなる見込み

世代多様性について

  • 各世代の分類(これは今回のセッション固有の分類ではなく、一般的に言われているものです)
    • トラディショナリスト(1920年代中期〜40年代中期生まれの世代)
    • ベビーブーマー(40年代中期〜60年代中期:第二次世界大戦の終戦直後に生まれた世代)
    • ジェネレーションX(60年代初頭〜70年代生まれの世代)
    • ジェネレーションY:ミレニアル(80年代〜90年代生まれの世代)
  • 2025年までには、労働人口の75%がミレニアル世代となる
  • 60%以上の従業員が、世代多様性による衝突を経験している
  • 業務経験が豊富な従業員が退職した場合、同等のスキルを持った人間を採用するには、元の従業員の年収の50%〜150%のコストがかかる

各世代の簡単な特徴

  ベビーブーマー X世代 ミレニアル
欲するもの 地位・名誉 自治・自主性 貢献に値する組織
モチベーションとなるもの 表彰・昇進 専門的なスキルの習得、柔軟性 柔軟性・成長
基本的な考え 「ミーティングして話し合おう」 「私は私の、あなたはあなたの仕事をしよう」 「できます、やります、任せてください」
道徳観 受け身 バランス 統合的
コミュニケーション方法 形式重視、過程 インフォーマル、実用性重視 カジュアル、素早い

世代多様性がもたらす悪影響

  • ストレス
  • 従業員同士の衝突
  • 生産性の低下
  • 転職率の増加
  • モラルの低下

世代多様性がもたらす利益

  • 優秀な人材にとって魅力的な組織である
  • チームがよりフレキシブルになる
  • 各世代の心情を理解できるため、マーケティングに有利になる
  • 様々な観点が入ることにより、意思決定がより強固で確実なものとなる
  • より革新的、生産的になる
  • 社会のニーズをより理解でき、かつ業務と紐付けることができる

世代多様組織を導く際にしてはいけないこと

  • 1つの価値観が全ての世代にそぐうと思うこと
  • 各世代に対する偏見を持つこと

世代多様組織を維持するためのベストプラクティス

  • 組織としてのカルチャーを持つこと
  • 従業員に長く務めてもらうこと
    • 給付や手当の充実
    • 適正な報酬の提供
    • 教育と専門的なスキルの醸成

若かりし頃にワーク・シフトという本を読んで以来、多様性というものにはとても興味がありまして、とても面白いセッションでした。

驚くことに各世代の特徴の幾つかは日本人と共通だなと感じたので、世代間の性質の差というのはどうやら民族性や属する社会というよりも、ワールドワイドな文化の影響の方が強いのかなーと何となく思っています。

私自身ミレニアル世代であるため、他の世代からはどう見られているのかというのはとても参考になりましたし、弊社も実際にベビーブーマー・X世代・ミレニアルで構成されています。
それぞれ価値観も習慣も違うなかでどうすればチームとして、組織として生産性を最大にできるのかというのは常日頃から考えており、その考えをあらためて整理してくれるセッションでした。

余談ですが、日本の場合はミレニアルという言葉の代わりに「ゆとり世代」という言葉が存在しています。
この言葉が世代間性質差の本質をぼかしてしまっていて、よくないなーと憂いております。

Bold Talks: Future of Work: Creating While Black

こちらはスライドがなく、喋りがメインのセッションだったのですが、それだけにとても力強いものを感じました。
調べてみるとスピーカーのEverette Taylorさん、Forbesにとりあげられていたりと著名な起業家の方のようです。

Bold Talks: Future of Work: Creating While Black

以下、特に印象的であった言葉を抜粋します。

  • アイデアは誰しもが持っており、特別なものではない
  • アイデアだけでは、君を特別な存在にしない
  • 黒人がアイデアを実現するには、文化や環境的背景が原因で白人よりも少し難しい。アクセスできるものが同じではない。茶色の肌の人も同様だ
  • 繰り返す。誰しもがアイデアと、そして夢を持っている
  • そのアイデアを実現させることができるのは、ごく一握りの人間のみだ
  • Embrace who you are
  • Embrace the journey
  • Embrace up and down, growth, what you love

仰っていたこともシンプルであるが故に、共感できることがたくさんありました。
何より全てご本人の体験談であるがゆえ、言葉一つひとつの説得力が凄まじかったですね……。。

Go Big Ass or Go Home: Contrarian Entrepreneurship

最後は経営に関するセッションです。
主にファンや照明を取り扱っている企業のようですが、セッション内容は一般化された非常にわかりやすいものでした。

Go Big Ass or Go Home: Contrarian Entrepreneurship

  • 天邪鬼であれ
    • 天邪鬼に、他の人とは違う方向で、プロダクトとビジネスモデルを計画すること
    • そしてそれらを混ぜあげて形にすること
  • 多様性に重きを置く
    • 異なるバックグラウンド、才能を持つものを雇うこと
  • 特別なものをつくる
    • 他者と区別できる、象徴的なものをもつこと
    • 何があなたの会社の特別か? 価格? よい商品?
  • 謙虚であれ
    • 失敗を許容して、そこから学ぶこと
    • うぬぼれや自尊心などを持たないこと

まとめ

以上、いかがだったでしょうか?
このようにINBOUNDはマーケティングだけでなく、非常に広範囲の知識を吸収できます。
特に民族や世代の多様性についてはとても興味があったのですが、ミクロレベルでは実はアメリカも日本と似たような問題を抱えているということがわかったのが、私にとって何よりの収穫でした。

またセッション中に近くの人と情報交換や議論をする場面もあり、
「中小企業に努めていて、マーケティングからデザインまで、何でも自分でやらなきゃいけないの」
という話を聞いたときは、ベンチャーって結局どこもそういうもんなんだなぁ…と妙に親近感を覚えたりもしました(笑)

目的のマーケティングの知識・情報はもちろんのこと、思わぬところでそれ以外の収穫を得られるのがINBOUNDです。
気になっている方は、ぜひ今後のINBOUNDに参加されてみてはいかがでしょうか。

ということで次回、最後のINBOUND参加レポートは「海外渡航準備編」をお送りします! お楽しみに!

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