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翻訳依頼前にチェックすべき「3つのR」―心に響く訳文とは?

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企業の海外展開に欠かせない多言語コンテンツ。
翻訳を依頼したいけど、原文の作成方法がわからない・・・
せっかく作った多言語サイトの表現に対してネイティブからダメ出しを受けた・・・
そんな経験はありませんか?
目的に合った質の高い訳文に仕上げるためには、ほんの少しの事前準備が重要です。翻訳会社への依頼前にチェックすべき「3つのR」をご紹介します。

ポイント① Relevant(関連性のある)

翻訳において言語の違いと同じくらい重要なのは、対象読者の違いです。「誰に向けたメッセージ」なのかによって必要な情報は変わってきます。以前、寿司屋のパンフレットでこんな英文を目にしたことがあります。

「For take-out. Perfect for souvenirs. (お持ち帰り用。お土産におすすめです)」

おそらく日本語パンフレットをそのまま英訳したものと思われますが、観光客向けであれば文章の後半は省いたほうがよいでしょう。(海外旅行先で生モノをお土産に選ぶ可能性は低いので…)

これは極端な例ですが、日本語の原文を確認している時は違和感のなかった文章が、翻訳後に「irrelevant(無関係・不必要)」な情報だったと気づくケースは意外に多いのです。依頼前に原文を見直して、対象読者に関連した情報を厳選することで、文章の趣旨が明確になるだけでなく、翻訳コストの削減にもつながります。

ポイント② Readable(読みやすい)

「読みやすい」文章の定義は言語の数だけあり、その要因も様々ですが、ここでは翻訳においてよく問題となる文章構造について考えてみましょう。日本語の文章は1文が長く、入り組んだ構造になりがちですが、こうした文章は誤訳の元です。例として、以下の3つの指示を1文にまとめた (ア)~(ウ) の文章を比較してみます。

すばやくかき混ぜる。 水を足しながらかき混ぜる。 右手でかき混ぜる。

(ア) すばやく水を足しながら右手でかき混ぜる。
(イ) 右手で水を足しながらすばやくかき混ぜる。
(ウ) 水を足しながらすばやく右手でかき混ぜる。

この中で最も誤解なく読めるのは (ウ) でしょう。 (ア) は「すばやく水を足す」という指示にも読めます。(イ) は、「右手で」行うのが「水を足す」動作なのか「かき混ぜる」動作なのか曖昧です。

このように、日本語は語順次第で読みやすさに差が出るものの、どれも間違いではありません。しかしこれらを英訳すると、明らかに意味が変わってくるので注意が必要です。

(ア) Mix with your right hand while quickly adding water.
(イ) Mix quickly while adding water with your right hand.
(ウ) Mix quickly with your right hand while adding water.

読みやすい日本語は翻訳もしやすいものです。誤訳を防ぐためにも、翻訳用の原稿ほど「読みやすさ」に注意してよく推敲しましょう。

ポイント③ Relatable(共感できる)

私たちは、自分に関連付けることができる(共感できる)メッセージほど、深く受け止めることができます。「相手の視点に立つ」ことはコミュニケーションの原則ですが、対象読者が変わる翻訳プロセスにおいては、この視点を見直すことが重要です。

よく翻訳者から「too local」(日本に住んでいる人にしか通じない表現)または「too culturally specific」(その文化固有の限定的な表現)というコメントを受ける例として、「〇〇〇(TV番組)で紹介された~」や「あの△△△(芸能人)も愛用している~」、「東京ドーム〇個分」といった表現が挙げられます。世界的に有名でない限り、こうした言及は海外の読者にとってあまり意味がありません。

その点、数字は万国共通の指標ですので「年間100万人が愛用している化粧水」と言えば、その魅力が客観的に伝わるでしょう。または「G8サミットで使用されたホテル」や「オリンピック金メダリストも愛用しているシューズ」のように、海外の読者も共感できる具体例を挙げることも効果的です。

おわりに

いかがでしたでしょうか。依頼前に原文の「3つのR」をチェックして、海外の読者の心に響く訳文を作成しましょう。

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