コンテンツステージング
既存ページをコンテンツステージングを使用して置き換えると、内部的には全く別のページに置き換わり、それまでの解析データが取得できなくなることがわかりました(厳密には、古いページはアーカイブされ、そちらにデータは残っています)。
ページの新規作成でない限りコンテンツステージングは使うべきではないでしょう。
2022/09/22にて確認したところ、既存ページはアーカイブされずページIDを保ったまま新しいコンテンツにて更新するようになっていました。この変更によりコンテンツステージング機能を使用した際のリスクが無くなるため、積極使用が推奨できるものとなりました。
コンテンツステージング機能は、サイトのコンテンツ更新を安全、かつ確実にするための機能です。「更新中のコンテンツを、実際の見た目通りに確認する」という点においては、ページのプレビュー機能も存在します。プレビュー機能は何か特別なことをしなくても利用できるため、手軽さではこちらの方が断然上でしょう。
プレビュー機能のデモ
しかしプレビュー機能も利用した通常のページ更新の方法では、「どのような目的、または経緯があってページを更新したのかがわからない」という欠点があります。「いつ」「誰が」に関しては変更履歴より確認することができますが、保存がかかる毎にタイムスタンプが押されているため、目的や経緯を把握するのに便利なものではありません。
変更履歴機能 「公開(または更新)」ボタン左隣りのメニューボタンから開くことができる
そういった際に役立つのコンテンツステージング機能です。なおコンテンツステージング機能が使えるのは、ウェブサイトページとランディングページです。
コンテンツステージング機能の画面の見方
まずコンテンツステージング機能にアクセスするには、[マーケティング] → [ウェブサイト] → [ウェブサイト/ランディングページ] からページ一覧画面に遷移し、左側のメニューから [その他のツール] → [コンテンツステージング] をクリックします。
ページ一覧画面の左側のメニューから [その他のツール] → [コンテンツステージング]
コンテンツステージング画面は、次のような画面構成になっています。
コンテンツステージング画面の構成
- ①……表示するページのドメイン。複数ドメインが接続されていれば切り替えることができる
- ②……メニュー切り替えタブ
- 管理……新しいステージングの作成や、既存のステージングの管理などに使用する
- 公開……作成したステージングをwebサイトに反映する際に使用する
- ログ……今までの反映のログを確認する
- ③……ページフィルタ。⑤に一覧表示するページを「すべてのページタイプ」「ウェブサイトページ」「ランディングページ」から選ぶ
- ④……ステージングに関連するページの一覧
- 未変更……ステージングページではなく、現在公開中のページが表示される
- ステージングされた下書き……ステージングとして作成するも、まだステージングURLに公開されていないページが表示される
- ステージング中の校正……ステージングURLに公開されているページが表示される(このページが、②の「公開」へと進むことができる)
- ⑤……ページ一覧
ここで、コンテンツステージング機能の仕組みについても触れておきます。コンテンツステージング機能では、表示される内容こそプレビュー機能を用いた場合と特に変わりませんが、大きく違うのはURLに「sandbox.hs-sites.com」という文字列の入った専用のドメインに一度ページを公開する点にあります。この専用のドメインにページを公開することが、「ステージングに公開」という動作にあたります。
またステージングの作成は、既に公開中のページを基にして作成するほか、通常のページ作成と同様にコンテンツもURLも1から設定することも可能です。いずれにせよ、ウェブサイトへの反映時に
- URLが公開中のページと被らない場合→新規ページとしてサイトに公開
- URLが公開中のページと同じ場合→既存ページを置き換える形でサイトに公開
となります。まとめると次のような図となります。
コンテンツステージング機能の概略
ステージングの作成
新規作成、及び新規ページとしてサイトに公開する場合はそこまで注意する必要がないため、ここでは既存ページを複製し、サイトへの公開時も既存ページを置き換える形で進めたいと思います。
既存ページを複製してステージングを作成するには、希望のページにホバーして「ステージ」ボタンをクリックします。続いて表示されるポップアップで「複製されたページをステージング」をクリックします。するとステージングが作成され、通常通りのページ編集画面に遷移します。
ステージングの作成
これで現在はステージングの下書きが作成された状態なので、続いてページに変更を加えステージングに公開してみましょう。今回は「Service Hubのキホン」という項目を活性化したいと思います。変更が完了したら、右上の「ステージングに公開」ボタンをクリックします。
ページの編集と、ステージングへの公開
公開した後に左側の「ステージング中の校正」をクリックすると先ほど公開したステージングが表示されます。ここで確認用のURLを取得し、適宜他者に共有するなどしてページの確認を促します。
公開したステージングの表示
なおステージングの編集画面でも通常のページと同じようにプレビュー機能が使えますが、他者に共有するのはあくまでステージングのURLとした方が良いでしょう。
ステージングをサイトに反映する
更新内容に問題無いことが確認できたら、最後にステージングをサイトへ反映します。上部の「公開」タブをクリックし、公開したいステージングを選択し「〜稼働中のドメイン公開」をクリックします。するとポップアップが表示されるので、公開における概要をジョブ名として入力し、ポップアップ内を進んで「完了」ボタンをクリックします。これで公開中のページをリロードすると、変更内容が無事に反映されたことが確認できました。
ステージングの公開と、公開中のページへの反映確認
なおサイトへ反映するステージングを選択する段階で、複数のステージングを選択し、1つのジョブでまとめて公開することも可能です。例えば新製品のページを新たに公開する場合は、
- 新製品のページ(新規公開)
- トップページ(既存の差し替え。新製品のページへの動線追加など)
の2Pを「○○製品追加」というジョブでサイトへ反映させるとよいでしょう。何かキャンペーン施策を打ったために必要なサイトの更新であれば、「○○キャンペーン公開」でも良いかもしれません。Gitにおけるcommitのようなものですね。
そうしておくと、ジョブ毎に「どんなページを、どんな目的で、どんな経緯で更新したのか」がきちんと把握できるようになります。過去のジョブについては「ログ」タブをクリックすることで、遡り確認することができます。
ログタブの内容
まとめ
以上、コンテンツステージング機能の使い方を紹介しました。コンテンツステージング機能を使わずとも、直感的にページを編集し、すぐ更新できるのがHubSpotの強みです。
しかしサイトの公開作業に複数人が関わるようになったり、サイト規模が大きくなると「どんな意図があって更新したのか」「更新の背景にどんな経緯があったのか」などの情報が重要になってきます。
そういった運用体制必要になってから、いきなりコンテンツステージング機能を使いこなそうとしても混乱するかと思いますので、いつもの小規模な更新においても、ぜひコンテンツステージング機能を利用して慣れておくことをオススメします。
なお本機能については公式ドキュメントにも解説がありますので、ぜひ合わせてご参照ください。